かつてたたら製鉄が盛んだった出雲市多伎町で7日、製鉄の過程で出る「鉄滓(てっさい)」を探すイベントがあった。家族連れなど約20人が歴史に思いをはせ、黒い塊を見つけ出した。
多伎町では江戸から明治期にかけて、田儀櫻井家がたたら製鉄を営んだ。14日に歴史を伝えるガイダンス施設がオープンする。イベントは子どもたちに興味をもってもらおうと、住民有志でつくる実行委員会(本田一勇会長)が開いた。
参加者は同町口田儀の田儀川で鉄滓を探した。5キロ上流にたたら場跡があり、廃棄されて漂着した鉄滓がお目当て。鉄を含んだ黒い表面に多くの穴が開いているのが特徴で、至るところで親子が目を凝らした。
30個以上を拾ったり、こぶし大の鉄滓を発見したりする参加者もあり、家族6人で訪れた出雲市の高松小3年、神田陸仁(りくと)君(8)は「たくさん取れて楽しかった。集めて刀を作りたい」と笑顔を見せた。
(佐野卓矢)