山吹城跡がある要害山の山頂で天空の朝ごはんを楽しむ参加者ら=大田市大森町
山吹城跡がある要害山の山頂で天空の朝ごはんを楽しむ参加者ら=大田市大森町

 世界遺産・石見銀山遺跡エリアにある大田市大森町の山吹城跡で13日、自然の中で朝食を楽しむイベント「天空の朝ごはんin大森」があった。参加した30人が城跡がある要害山を1時間かけて登り、三瓶山に昇った朝日や散り始めたサクラを眺めながら、絶景や歴史、食事をそれぞれ堪能した。

 要害山は標高414メートルで、往時は銀山支配のための軍事拠点として重要な役割を果たした。参加者は午前4時半にふもとの登山口に集まり、満天の星空のもと登山を始めた。

 道中は主催した石見銀山ガイドの会のメンバーによる歴史案内を受けながら、急勾配の山道を進んだ。空が明るくなり始めるのにつれ、カエルの鳴き声がウグイスなど小鳥のさえずりに変わるなど自然を全身で感じた。

 山頂では朝風に揺れるヤマザクラが桜吹雪を舞い散らす中、2016年の初回から協力する地元洋食店・ピッコリーノなどが用意したサラダやパン、コーヒーに舌鼓を打った。

 友人と参加した出雲市平田町の会社員原田歩さん(53)は「景色も食事も素晴らしく、ぜいたくなひとときだった」と満喫した様子だった。 (勝部浩文)