4月中旬を迎え、アオリイカの釣果が島根半島の主に西側で聞くようになった。出雲市の大社エリアは半島の中で最初に開幕を迎え、シーズンが終わるまで人が絶えない超人気ポイントとして知られる。イカが好む岩場と藻場が点在し、狙うべき箇所がはっきりしているため、釣果が期待しやすいからだ。
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「開幕寸前です」
4月15日、プロアングラーの上畠克久さん(47)=出雲市在住=から釣果写真とともに連絡があった。出雲市大社町日御碕周辺で釣れたといい、多くエギンガーが待ちわびた「春」がすぐそこまできている。

アオリイカは海水温が低い冬場は産卵のため、沖の深場に生息する。水温が上昇すると、潮の流れに乗って藻が生えた場所を求めて回遊し、6月ごろの産卵期を迎えるまで活発に動く。
上畠さんによると、島根半島に接岸するアオリイカはまず日本海沖から多伎町付近に集結し、その後は大社方面へ向けて移動する。ただ、道中の海底は砂地が広がり藻場が少ないため、居着くのは大社築港付近から西側のエリアになるという。小島などの岩場が点々とあり、湾になった箇所も多く、餌となるベイト(小魚)がたまりやすい地形が特徴となっている。

「大社湾は地形が複雑で、イカにとっては良い産卵場所が多い」。20年以上の経験から潮の流れと地形を熟知した上畠さんの言葉には説得力がある。
(藤原康平)

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<プロフィル>
うえはた・かつひさ 出雲市生まれ。釣り具メーカーCRONO(クロノ)のプロスタッフやUNITIKA(ユニチカ)のフィールドテスターなどを務める。アオリイカの自己ベスト(重量)は船釣りで4・2キロ、おか釣りで3・6キロ。47歳。