市議会会派の積立金と自治会費計約280万円を私的流用したとして、議員辞職する意向を示していた雲南市議会の児玉幸久議員(57)=無所属、1期、雲南市大東町下佐世=が30日、辞職した。「一身上の都合」を理由に同日、議長宛てに辞職願を提出して許可された。
市議会(定数19)は欠員2となるが、公職選挙法の規定で補欠選挙は実施されない。
市議会は議会運営委員会を開き、対応を協議。各地で開催する市民向け議会報告会で、各地区の担当議員が住民に謝罪する方針を決めた。矢壁正弘議長は「あってはならない事案だ。議員全員に立場をわきまえた活動をするよう伝え、議会の信頼回復に努める」と述べた。
児玉氏や市議会関係者によると、同氏は議員3人で構成する会派「雲南木鶏(もっけい)の会」で会計担当を務め、研修や懇親会に使う会派の積立金十数万円を私的流用した。自治会でも会計を担当し、自治会費計約270万円を私的に使ったとしている。児玉氏は競馬と私物購入、借金の返済などに充てたと説明している。
全額を返済しており、会派、自治会ともに刑事告訴はしないという。
児玉氏は2020年11月の市議選で初当選した。
(山本泰平)