【松江】松江市西川津町、川津小学校で10日、修学旅行中に児童ら25人が犠牲になった紫雲丸遭難事故の生存者が5、6年生の児童約200人に事故や命の大切さを伝えた。
貨客船「紫雲丸」は1955年5月11日、高松沖の瀬戸内海で貨物船と衝突した。衝突後数分で船体が傾き、沈没し168人の犠牲者が出た。川津小学校の関係者は25人が亡くなった。
紫雲丸遭難事故生存者の会の野津幸次さん(80)は事故を振り返り「漏れた油で真っ黒な海を泳ぎ、リュックや水筒が流れてきたのを鮮明に覚えている。われ先に助かろうとするひどい大人がいた」と事故の悲惨な状況を話した。事故の経験を語り継ぎ、事故防止や命の大切さを伝えた。
6年生の西村珠桜(たまお)さん(11)は「命の大切さを学んだ。心に留めて下の学年に伝えたい」と話した。
同校は着衣泳や救命胴衣着用体験などで紫雲丸学習に取り組んでいる。
(小豆沢颯太)