「こども食堂マルシェ」で、もち米のすくい取りに挑戦する来場者=19日、松江市殿町の南殿町商店街
「こども食堂マルシェ」で、もち米のすくい取りに挑戦する来場者=19日、松江市殿町の南殿町商店街

 おととい松江市内で開かれた「こども食堂マルシェ」を訪ねた。山陰中央新報社が手がける応援プロジェクトの一環で、島根県内の子ども食堂5事業者などが出店。親子連れらの笑顔がはじけた▼会場になった同市殿町に新聞社が「子どもご縁食堂」を開設したのは2022年10月。合言葉は「背伸びせず、末永く」。当方が「店長」をしていた頃は、コロナ禍で参加者は20人に限っていたが、今では多い時は40人近くが参加する▼20年の県内の食堂は18カ所で全国最少だった。全国こども食堂支援センター・むすびえの湯浅誠理事長は「生活に困窮した子どもが行く場所、というイメージがある地域は数が少ない」と語っていた。新聞社が開設したのは、誰もが集える場との認識と支援の輪が広がるよう情報発信するのが目的だった▼23年は98カ所に増え、もうすぐ100カ所になる。県社会福祉協議会に寄付金を一括で受ける仕組みもできた。応援プロジェクトへの協賛金の一部は県社協を通じて県内の食堂に届けられる。秋にはシンポジウムも開く。食堂と企業や自治体、県民がつながり、理解や支援がさらに広がってほしい▼マルシェでは地元商店街もコロナ禍で中止になったイベントを開催した。手を携え、にぎわい創出を図れたのもうれしかった。今回のように多世代が交流し、笑顔に出会える場所が各地にたくさんできることを楽しみにしている。(添)