阪神戦の8回、勝ち越し本塁打を放ち一塁に向かうDeNA・筒香嘉智選手=11日、横浜
阪神戦の8回、勝ち越し本塁打を放ち一塁に向かうDeNA・筒香嘉智選手=11日、横浜

 米大リーグから5年ぶりに日本球界へ復帰した、DeNAの筒香(つつごう)嘉智選手(32)が存在感を見せている。11日の阪神戦では7点差を追い付いた直後、勝ち越しの本塁打を放ち、高々と右腕を突き上げた▼これが日米通算225本目で、名字の語呂合わせ「2(つ)2(つ)5(ごう)」の記念弾。ユニホームの背にある「TSUTSUGOH」のローマ字表記が輝いて見えた。この表記が「TUTUGOU」ならどう感じるだろう▼ローマ字表記の在り方を検討するよう、盛山正仁文部科学相が文化審議会に諮問した。ローマ字のつづり方は主に、母音と子音を規則的に組み合わせる「訓令式」と、英語の発音に近い「ヘボン式」がある。「つ」は訓令式では「tu」、ヘボン式では「tsu」と表記する▼日本では1954年の内閣告示で「一般に国語を書き表す場合」は訓令式を用いると定められているという。ところが、パスポートや道路標識でヘボン式が採用されるなど、一般社会では訓令式は定着しておらず、文化審はルール改定も視野に議論を進めるらしい。そんなルールの存在もそうだが、70年も見直されることなく、いまだに残っていることの方が驚きだ。こんな例はまだありそうだ▼ちなみに訓令式の「TUTUGOU」は、英語の発音で「トゥトゥゴウ」になるのだろう。それはそれでかわいらしいが、主砲の豪快なバッティングは想像できない。(健)