米カリフォルニア州の集会で話すロバート・ケネディ・ジュニア氏(ゲッティ=共同)=3月29日
米カリフォルニア州の集会で話すロバート・ケネディ・ジュニア氏(ゲッティ=共同)=3月29日

 「お灸(きゅう)をすえる」とは灸で病気を治すことから転じて、厳しく注意をして行動を改めさせるという意味。先の衆院島根1区補選では「政治とカネ」の問題で有権者からお灸をすえられた自民党が初めて議席を失った。ただお灸は「これに懲りて体質改善を」という期待の表れ。変わらなければ今度こそ支持者から愛想を尽かされてしまう。

 灸は東洋医学の治療法だが、西洋でも通じるのか。11月の米大統領選まで残り半年を切った。民主党のバイデン大統領(81)に、4年前の雪辱を期す共和党のトランプ前大統領(77)が挑む構図。世論調査の支持率は激戦だ。

 とはいえ、閉塞(へいそく)感が漂うのは、共にすねに傷を持つ身だから。バイデン氏は高齢に加え、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡りイスラエル寄りだと批判され、若者の支持離れが深刻に。トランプ氏は不倫口止め疑惑に絡む事件の刑事被告人として公判中。不人気者同士の泥仕合の様相を呈している。

 両氏に不満を抱いている有権者も多いようだ。その受け皿になりそうなのが、無所属の弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)。支持率は大統領経験者2人に後れを取るが、ケネディ元大統領の甥(おい)で抜群の知名度を誇る。

 過去の大統領選では「第3の候補」が台風の目となり、選挙戦の勝敗に影響を与えたこともある。誰が有権者から多く「お灸をすえられる」のかが、次期大統領の行方を左右しそうだ。(健)