疑似餌のエギを使った釣法で釣ったアオリイカ1杯の重さを競う「第12回エギングフェスタ」(かめや釣具出雲店、山陰中央新報社共同企画)が19日、島根県内で開かれた。今季はアオリイカの当たり年と言われる中、参加者36人中14人が釣果を出し、1キロ超えの春らしいサイズを中心に、最大2・46キロの大型が釣れた。ハイレベルな大会となった一日を振り返る。
今大会には県内外からエントリーがあり、女性エギンガーの姿もあった。午前3時半から受け付けを済ませ、おのおののポイントへ向けて出発。昨年の大会で、まぐれで3位に入った記者もオープン参加し、午前5時半頃から大社築港(出雲市大社町杵築北)や宇龍の地磯でエギングを楽しんだ。
午前8時過ぎまでしゃくり続けたものの、当たりは全くなかった。渡船や遊漁船を営む幕島(出雲市大社町日御碕)の関係者からは「大したことなくて渋そうだ」と連絡があり、全体的に釣果が少なかった前回大会同様、1杯でも釣れれば上位が狙える大会になるのかと想像した。

午前11時ごろに大社築港で底を重点的に探るとこの日初めて当たりがあったが、上がってきたのは胴長28センチのモンゴウイカ。結局この日はアオリイカには出合えないまま納竿し、参加者の帰りを待った。
正午から順次検量が始まると、厳しい釣果になるとの予想は外れた。次々とアオリイカの持ち込みがあり、中には複数杯釣った人も。渡船を使って大社エリアの磯に渡ったり、大田市仁摩町まで車を走らせて磯を歩きながら釣果を出したり…。場所選びと運が勝敗を分けた。

そして、この日一番の大物を釣ってチャンピオンに輝いたのはー。
エギング歴約20年という雲南市加茂町在住の建設業加藤厚さん(50)。宇龍の地磯で午前5時ごろに釣ったアオリイカは今シーズンの自己ベストとなる2・46キロの良型だった。「2キロないかなと思ったが、いいサイズが釣れた」。第6回大会以来となった久しぶりの出場で初優勝し、充実した表情を浮かべた。

このほか第2位が1・94キロ、第3位が1・58キロと続いた。
今後、多くの個体はエギに反応しにくくなったり、産卵モードに入ったりして釣るのがより難しくなるが、春のシーズンはもうしばらく続く。来年の大会でも好釣果を期待したい。
(藤原康平)

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