2023年の作品「異常気象」について説明する栗田好子さん=益田市常盤町、キヌヤ益田ショッピングセンター
2023年の作品「異常気象」について説明する栗田好子さん=益田市常盤町、キヌヤ益田ショッピングセンター

 【益田】島根県文芸協会理事で詩人の栗田好子さん(75)=益田市中島町=の作品展が、益田市常盤町のキヌヤ益田ショッピングセンターで開かれている。詩を記したポスターなど30点を展示している。26日まで。

 縦1メートル、横1.5メートルの作品「異常気象」(2023年)は、頻発する豪雨水害を踏まえ「あ、雲の蛇口がひねられた」「地球の大きな口からは胃液が流れ出し」「悪びれず横暴に生は無限の底に叩(たた)き落とされた」と強い言葉を並べ、目を引く。

 マルタ共和国で2023年にあった「日欧宮殿芸術祭 ジャパンアートフェスティバル」(日欧宮殿芸術協会主催)で最優秀の金賞だった作品「母と私の間」は、認知症が進行する母との時間を淡々と記した日本語文と英訳文が縦長の紙に印刷されている。

 18歳で詩を始めた栗田さんは、これまで「透きとおったときよ」(02年)と「ありがとうの色」(18年)の2冊の詩集を出している。「来年は個展を開かず詩作に没頭し社会に向けた詩を書きたい」と話した。

 午前9時~午後8時(最終26日は午後4時まで)。入場無料。(中山竜一)