首都圏在住の島根県出身者でつくる「石見神楽東京社中」の活動10周年記念公演がこのほど、東京都内の劇場であった。インターネット上で資金を集めて作ったオリジナルの衣装を披露し、力強い八調子のリズムを響かせた。
新型コロナウイルス感染防止対策で、収容人数を半分以下に抑えて開催。昼と夕の2回公演で計160人が足を運んだ。インターネットでも生配信した。
夕方の公演は「塩祓(しおはらい)」「道返(ちがえ)し」「恵比須(えびす)」「大蛇(おろち)」の4演目を舞った。
「道返し」では、鬼役が新衣装を着用。クラウドファンディングで目標を上回る126万円を集め、江津市内の神楽衣装店が龍などをあしらったシンプルなデザインで、初めてのオリジナル衣装に力がこもった。
終演後、約20人のメンバーが観客から大きな拍手を受けた。小加本行広代表(39)=浜田市出身=は「いろいろな人の支えによって生まれた衣装を手に、これからも伝統の継承に努めていきたい」と感謝を述べた。 (白築昂)