休耕田(中央)の草刈りをほぼ終え、くつろぐ参加者=出雲市野郷町
休耕田(中央)の草刈りをほぼ終え、くつろぐ参加者=出雲市野郷町

 住民主体で練り上げた将来ビジョン「やって未来こい!ENO暮らし2030」を基に地域づくりに取り組む出雲市伊野地区で、耕作放棄地の復活プロジェクトが始まった。人口減少や、農業従事者の高齢化による休耕地と荒地が増える中、美しい景観を取り戻し農業を元気にしていこうと、住民たちが休耕田の雑草を刈り取り、耕作再開の準備を進めている。
(松本稔史)
 4日は、地元の町づくり推進組織「伊野やって未来こい!ネット」のメンバーや住民有志と、雲南市と広島市などから助っ人が訪れ23人で作業。約2時間かけて休耕田で雑草を刈り取り雑木も処理した。今後、土作りをし、8月初旬にソバの種をまく。
 復活プロジェクトは、10~20年先の伊野地区を考えた将来ビジョン(2020年3月策定)に基づく。「耕作放棄地が無く、整備された田畑が維持されている」「草刈などの環境整備事業が行われ、美しい景観と生活環境が守られている」といった目標を推進する。第1弾として本年度は出雲市野郷町の市道伊野本線沿いにある休耕田2カ所計26アールを整備し、ソバを栽培する。
 企画は、地域外の人たちも一緒に伊野地区の景観保全と、そば作りを楽しむといった切り口による関係人口の拡大を視野に入れる。
 プロジェクト事務局で認定農業者の常松守男さん(54)=出雲市美野町=は「将来ビジョンに掲げる環境整備組織の草刈り隊結成につなげていきたい」と話している。