新型コロナウイルス対策を巡る政府の公文書は、後世が新たな感染症に立ち向かう際の「道しるべ」となる。だが重要会議の詳細なやりとりを残さない政権のずさんな姿勢が露呈。歴史的検証が困難になりかねず、専門家も問題視する。記録作成ルールに関する制度の不備も浮き彫りになった。 政府の「歴史的緊急事態」を巡る規定には、「抜け穴」が存在する。同事態に指定されても、どの会議を対象にどこまで詳細な記録を残すかは事実上、政府の判断に委ねられているためだ。政府による恣意(しい)的運用の余地が残り、将来の世代に教訓が十分引き継がれなくなる恐れもある。
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