平塚運一が描いた関東大震災後の町並みのスケッチを見る歴史館スタッフ(右)=松江市殿町、松江歴史館
平塚運一が描いた関東大震災後の町並みのスケッチを見る歴史館スタッフ(右)=松江市殿町、松江歴史館

 【松江】松江市殿町、松江歴史館で創作版画の草創期を築いた同市出身の版画家、平塚運一(1895~1997年)の初期の活動が分かる色つきのスケッチや版木など8点が展示されている。7月28日まで。

 平塚は創作の全工程を1人で担った近代版画の先駆者。黒と白で作るシンプルで力強い作品で知られるが、駆け出し時代には色がある版画も作った。

 スケッチは1923年の関東大震災から3カ月後の浅草の町を柔らかな色彩で描いている。初期の代表作「東京震災跡風景」と構図が近く、同館の大多和弥生副主任学芸員は「震災後の様子や初期の活動を知ることができる貴重な資料」と話した。

 このほか、本の持ち主を明らかにする「蔵書票」の木口の版木や、67歳で渡米する直前の生活が垣間見える日記も展示する。

 入館料は基本展示観覧料に含み大人510円、小中学生250円。月曜日が休館で、月曜が祝日の場合は翌日が休館。(森みずき)