田んぼで捕獲した昆虫を観察する児童=浜田市弥栄町長安本郷
田んぼで捕獲した昆虫を観察する児童=浜田市弥栄町長安本郷

 浜田市弥栄町長安本郷、弥栄小学校の5、6年生14人が4日、町内の水田にすむ生き物を調べ、豊かな生物を育む環境の大切さについて学んだ。

 有機農業の産地づくりを推進する「オーガニックビレッジ宣言」をする市が、環境に配慮した農業の大切さを児童に知ってもらおうと企画した。農研機構西日本農業研究センターの楠本良延さん(53)ら職員5人を講師に招いて、初めて開いた。

 児童は楠本さんから、人間の暮らしは多様な生き物の活動に支えられ、田んぼは生物を育む宝庫だと教わった。無農薬、無化学肥料の有機田んぼを調べる班と、減農薬の田んぼを調べる班に分かれ、虫網を使って生き物を捕まえた。

 児童は素足で田んぼに入り、1時間半でカエルやゲンゴロウ、ミズカマキリなどを見つけた。農研機構の生物多様性評価シートで点数化したところ、有機も減農薬も最も優れたS評価だった。ただ、有機田んぼの方がゲンゴロウが多く、絶滅危惧種の植物も生えていることが分かった。

 5年生の田中夢恋(ゆら)さん(10)は「初めて見た虫もいた。田んぼを守る大事さが分かった」と話した。

(中村成美)