テロを想定した訓練で、有毒ガスによる体調不良者を救助する消防隊員=大田市大田町、JR大田市駅
テロを想定した訓練で、有毒ガスによる体調不良者を救助する消防隊員=大田市大田町、JR大田市駅

 大田市大田町のJR大田市駅で8日、JRや警察、消防などによる公共施設でのテロに備えた合同訓練があった。一般客の避難誘導や犯人の制圧、除染など、それぞれが連携しながら対処し、テロへの対応力を高めた。

 JRの職員、大田署、市消防本部、市観光協会の計40人が参加した。駅を訪れた不審な男が待合室で塩素系ガスが発生する液体をまいたとの想定で実施した。

 待合室にいた一部の客が体調不良や異臭を訴えていることに気付いた駅員が、大声を出して避難誘導し、119番通報。犯人が刃物を持ちホームで暴れ始め、駆け付けた大田署員が制圧した。救助では防護服に身を包んだ消防隊がガスの種類を判別できる検知器を手に慎重に現場に入り、動けなくなった体調不良者を搬送した。

 緊急な事態が同時に進む中、JR、警察、消防がそれぞれの役割を果たし、情報共有などで連携をすることがテーマだった。JR大田市駅の佐藤篤司駅長は「臨機応変に対応できるよう訓練の反省点を生かし備えたい」と話した。(勝部浩文)