島根県の丸山達也知事が12日、出雲市大社町日御碕地区の県道の崩落現場を視察し、「まずは道路の応急的な対応に取り組む」と述べ、一般車両が片側交互通行できる仮設道路設置を最優先する考えを示した。一方、県は11日に周辺の測量に入ったばかりで、工事着手や完成の時期は「具体的に申し上げられる状況にない」と述べるにとどめた。
丸山知事は午前8時半過ぎから約30分間、長さ約50メートルにわたって崩落している状況を確認。県職員から迂回路や仮設道路の検討状況などの説明を受けた。
視察後、報道陣の取材に対し、迂回路の坂道を歩いて生鮮品など必要な物資を地区に運ぶ住民の姿を目の当たりにしたとして「頭が下がる思いだ」と話した。物流や教育環境などの課題への対応は市と連携しつつ、必要に応じて自衛隊や海上保安庁に協力を求める考えを示した。
県は1月の能登半島地震を受け、半島防災を強化。2024年度一般会計当初予算で6300万円を確保し、災害時に発着できるヘリポートの適地探しや食料備蓄の追加、分散配備などを進めている。
丸山知事は12日の定例会見で「今回の災害を受けて対応を早めるのではなく、もともと早く進めるつもりだった。道路が使えなければ港、空路を利用するなど複合的に取り組む」と話した。
(曽田元気、片山皓平)