茶せんで泡立て、具材を加えて「ぼてぼて茶」を楽しむ生徒=松江市乃木福富町、松江農林高校
茶せんで泡立て、具材を加えて「ぼてぼて茶」を楽しむ生徒=松江市乃木福富町、松江農林高校

 出雲地方の伝統食「ぼてぼて茶」を味わう教室が17日、松江市乃木福富町の松江農林高校であった。生徒15人が指導員に教わりながら、茶せんで泡立てたお茶にたくあんや黒豆などの具材を入れ、自分好みの味を楽しんだ。

 「ぼてぼて茶」は松江松平藩7代藩主・松平治郷(はるさと)にゆかりがあるとされ、江戸時代に庶民の間で広まった。昭和中ごろまでは家庭で受け継がれていたが、現在は廃れつつある。島根県退職公務員連盟松江支部が次世代に伝えようと、2018年から教室を開いている。

 竹崎輝雄副支部長ら指導員8人が「ぼてぼて茶」の歴史と、茶葉に入っている白い花が泡立てた時に白くなる成分を含んでいると紹介した。

 生徒は布志名焼の茶わんにポットで茶を注ぎ、長さ20センチの茶せんでしっかり泡立て、塩昆布を加えた。たくあんや赤飯、黒豆など6種類の具材を少しずつ加え、味の変化を楽しんだ。

 総合学科3年の安部詩織さん(17)は「塩昆布が入ったお茶にたくあんの甘みが合う。作る過程が面白かった」と話した。

  (森みずき)