夏の星座 探しに出発!
待ちに待った夏休み! いつもとちがう体験をしたい人は、天体観測(かんそく)に挑戦(ちょうせん)してみませんか? 望遠鏡を持っていないし、そもそもどこを見れば良いか分からない…なんて考えなくても大丈夫(だいじょうぶ)。初めての人でも、気軽に楽しめる観測方法を紹介(しょうかい)します。
■場所
まずは、場所探(さが)しから。ポイントは、できるだけ空が広く見わたせることです。街の明かりが少ないと暗い星も見やすくなりますが、慣(な)れるまでは、トイレの場所や方角などの下調べがしやすい近所から始めてみましょう。あっ、くれぐれも虫よけ対策(たいさく)は忘(わす)れずに。
■持ち物

次に、持ち物です。足元を照らすライトは必需品(ひつじゅひん)ですが、赤いセロハンをかぶせておきましょう。星を見るには、暗めの光に目が慣れておくことが大切だからです。星座(せいざ)を調べるのに使うスマートフォンやタブレット端末(たんまつ)にも、同じように赤いセロハンをかぶせるか、天体観測用のアプリで赤色モードに設定(せってい)します。星座早見盤(はやみばん)を持っていくのでもいいですね。
リラックスした体勢(たいせい)で夜空を見たければ、アウトドア用のいすやコットという簡易(かんい)ベッド、厚(あつ)めのレジャーシートがあると便利です。好きな飲み物を水とうに入れたり、ブランケットを用意したりすれば、より気分が盛(も)り上がります。
「月や惑星(わくせい)をしっかり見たい!」という人には、望遠鏡が活躍(かつやく)します。暗い場所では細かな操作(そうさ)がしにくいので、明るいうちに練習しておきましょう。双眼鏡(そうがんきょう)も役立ちます。倍率(ばいりつ)は高くなくてもOK。でも、星空全体を楽しむなら、自分の目だけでも十分楽しめます。
そして、何と言っても無理をしないのが一番大事です。星空は逃(に)げやしません。天気や体調の変化には気をつけて楽しく家まで帰りましょう。
夏に見える星空
★夏の大三角形
夏は、冬と並(なら)んで明るい星が多く見られる季節です。代表的なのは「夏の大三角形」です。午後9時ごろ、だいたい頭の上あたりで三つの星が大きな三角形を作ります。夜空が明るくても見ることができますし、夜空が暗いなら、三角形の中に流れる星の集まり「天の川」も見つけられるかもしれません。
北側を向いてみましょう。早めの時間なら、左手(西)側に北斗七星(ほくとしちせい)があるはずです。時間がたつと、北斗七星がだんだんしずむかわりに、右手(東)側からカシオペヤ座(ざ)がのぼってきます。この二つを使えば、真北を示(しめ)す北極星を見つけることもできますので、ぜひチャレンジを。
★土星と月
もっと時間がたつと、夏の大三角形を追いかけるように、東の空から土星が上ってきます。今年は8月20日の満月と21日に、月と土星がとても近くに並(なら)んで見られます。土星は星座(せいざ)を作るようなほかの星とちがってほとんどまたたかないということも意識(いしき)しながら、ぜひ月と共演(きょうえん)する姿(すがた)を見つけてくださいね。
★ペルセウス座流星群

さらに注目すべきは「ペルセウス座流星群」です。今年は8月12日の午後11時ごろが最も流れやすいと予想されていますが、その前後の日も比較的(ひかくてき)見やすくなっています。こつは、空全体をぼやっとながめること。家族や友達と背中(せなか)合わせになって、どの方角の空を見るか担当(たんとう)を決めてみましょう。流れたら「見えた」と報告(ほうこく)し合うのも楽しいですよ。
(本田隆行(ほんだたかゆき)・サイエンスコミュニケーター)