指先以外はほぼ動かぬ体をベッドに横たえて、問いに耳をそばだてる。筆者が「あなたにとって生きるとはどういうことですか」と尋ねると、これまでの日々に問いを落とし込み、口を開いた。「諦めないこと」だと。

 そして続けた。「病気は進行して昔より深刻。でも、よほど昔の方がつらかった。そこから生き続けてこられたのは、いろんな人に支えてもらったから。その経験があるので、これからも生きていける。どん底からでも立ち上がる力が人には備わっている」。中岡亜希(...