アルバム「ロング・ブラック・ヴェイル」
アルバム「ロング・ブラック・ヴェイル」
アルバム「アナザー・カントリー」のジャケットに写ったメンバー
アルバム「アナザー・カントリー」のジャケットに写ったメンバー
アルバム「ロング・ブラック・ヴェイル」
アルバム「アナザー・カントリー」のジャケットに写ったメンバー

 プラバホール(松江市)が春に改修オープンしたと聞いて思い出すのは、1993年にあったザ・チーフタンズのコンサート。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)ゆかりのアイルランドを代表する音楽グループが舞台に立ったことは、洋楽ファンとして語り継ぎたいプラバホールの歴史だ。

 62年結成のアイリッシュ・トラッド・バンド。伝統的な楽器で奏でられる音楽は、どこか日本の村祭りのようで郷愁を誘う。プラバ公演ではメンバーのユーモアあふれるやりとりや、女性ダンサーによるアイリッシュダンスも見られて、かけがえのない時間となった。

 その後、95年に出たアルバム「ロング・ブラック・ヴェイル」で彼らのすごさを実感した。ローリング・ストーンズ、ヴァン・モリソン、マーク・ノップラー、ライ・クーダーら、そうそうたる顔ぶれと共演した名盤。1曲目、スティングがゲール語で歌う民謡を耳にすればたちまちトラッド・ミュージックの世界に引き込まれる。

 ボニー・レイット、ジョニ・ミッチェル、メアリー・チェイピン・カーペンター、矢野顕子ら女性アーティストと99年に作ったアルバム「ティアーズ・オブ・ストーン」も必聴盤だ。

 世界のアーティストが敬愛してやまないザ・チーフタンズ。彼らの音楽を聴くたびに、心温まるプラバ公演の感動がよみがえる。

 (洋)