お盆の帰省ラッシュで渋滞する東名高速道路。長距離移動など車の運転には心のゆとりを持ちたい=10日午前、神奈川県綾瀬市(共同通信社ヘリから)
お盆の帰省ラッシュで渋滞する東名高速道路。長距離移動など車の運転には心のゆとりを持ちたい=10日午前、神奈川県綾瀬市(共同通信社ヘリから)

 夏の旅行や帰省で車の長距離運転をした人も多いだろう。楽しい思い出は安全な移動から。距離の長短にかかわらず、心がけたい。自分が運転免許を取得した頃に比べ、運転マナーの意識は向上したように感じるが、大きな交通事故や悪質な運転による事故は後を絶たない。

 悪意に満ちた運転の最たるものが、あおり運転だろう。車間距離を極端に詰めて威圧したり、急停止して運転を妨げたりする危険行為。道路脇によける場所があればいいが、なければ追われ続け、恐ろしさが募る。

 2017年6月に神奈川県の東名高速道路で起きた死亡事故などをきっかけに、20年6月施行の改正道路交通法であおり運転は妨害運転として厳罰化された。だが、危険な運転はなくならない。

 先日、悪意はなさそうだったが短めの車間距離で後ろからずっと付いてこられ、圧迫感を抱いた。一般道路でのゆとりのある車間距離は、時速30~60キロの場合、速度から「15」を引いた数字が目安になるという。時速50キロなら35メートル以上。追突を防ぐだけでなく、十分に距離を取れば前を走る車の運転手に威圧感を与えることはない。

 ゆっくり走る車がいた時、高齢者マークが付いていれば自分の親だと、初心者マークがあれば自分の子どもだと思うようにと聞いたことがある。そう考えるようにすれば、確かに急ぐ気持ちも収まる。ハンドルを握る時は、まず心のゆとりが大切だ。(彦)