松江市袖師町の島根県立美術館で開催中の企画展「『アンアン』『ポパイ』のデザイン 新谷雅弘の仕事」(山陰中央新報社など主催)に合わせ24日、デザイナーの新谷雅弘さん(80)=島根県海士町在住=と、雑誌ポパイ創刊時に編集者を務めた石川次郎さん(83)が対談するイベントがあった。2人は日本を代表する雑誌のデザインについて振り返った。
1976年創刊のポパイ(平凡出版/現・マガジンハウス刊)は、アメリカの現代的ライフスタイルを新しい切り口で紹介する男性向けファッション雑誌。新谷さんは雑誌のデザインやページレイアウトの方向性をデザイナーに指示するアートディレクターを務めた。
対談は雑誌のファンら190人が聞いた。「ポップ・アイ」という短い記事が複数縦組みで並ぶコーナーについて、新谷さんは石川さんらが雑談をする際、3分程度で次々と話題が変わっていくことに注目。「東京の人はこういう感じなんだ、というのを表したのがこの組み方。短くポンポン変わるようなね」と着想を得たきっかけを話した。
石川さんは「今のポパイにも新谷デザインが踏襲されている部分が多い」と指摘し「ポップ・アイのデザインは流行って、他の雑誌にも伝染した」と新谷さんのデザイン力をたたえた。
企画展は9月2日まで。午前10時から日没後30分までで、火曜休館。観覧料は当日(コレクション展セット)が一般1450円、大学生1100円、小中高生500円。 (新藤正春)