オリオン座と、うさぎ座の位置の関係=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成
オリオン座と、うさぎ座の位置の関係=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成

目立つ星座の足もとに「うさぎ」

 真冬の南の空に見えるオリオン座(ざ)は、もっとも目立つ星座(せいざ)の一つといっていいでしょう。明るい星が砂(すな)時計のような形に並(なら)び、くびれた部分には三つの星が真っすぐ連なっています。右下の星リゲルと、左上の星ベテルギウスは特に明るく、ベテルギウスはその赤い色も特徴(とくちょう)的(てき)です。

 オリオンとはギリシャ神話に登場する優秀(ゆうしゅう)な狩人(かりうど)の名前です。その狩人の近くにいる動物の星座も紹介(しょうかい)しましょう。うさぎ座です。今年はうさぎ年ですね。東洋の十二(じゅうに)支(し)にも西洋の星座にも含(ふく)まれているということは、うさぎは世界中で人気のある動物といえるのかもしれません。

 古代ギリシャでは、このうさぎはオリオンが好んだ獲物(えもの)だと考える人もいましたし、オリオンほどの偉大(いだい)な狩人が小さなうさぎなど狙(ねら)うはずがないと主張(しゅちょう)する人もいたそうです。

 うさぎ座はオリオン座のすぐ足もとにあるため、探(さが)しやすく、また明るい星はありませんが、うさぎの形をたどるのもそれほど難(むずか)しくはありません。

 うさぎ座の見どころを挙(あ)げると、うさぎの頭の前に「クリムゾンスター」と呼(よ)ばれる星があります。その色はベテルギウスよりももっと深い赤で、うさぎの目の色に例えられることもあります。

 ただし、肉眼(にくがん)では見えない明るさであり、双眼鏡(そうがんきょう)で探すことはできますが、この冬は公開天文台などで開催(かいさい)される天体観察会に参加して、クリムゾンスターを見せてもらうのもおすすめです。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)