年内が一度に見るチャンス
太陽の周りを回る惑星(わくせい)は八つ。今、珍(めずら)しいことに、地球以外の七つの惑星が空に並(なら)んでいます。望遠鏡(ぼうえんきょう)がないと見えない天王星(てんのうせい)と海王星(かいおうせい)は除(のぞ)き、水星(すいせい)、金星(きんせい)、火星(かせい)、木星(もくせい)、土星(どせい)という曜日と同じ名前がついた五つの惑星を、この機会に見つけてみましょう。
惑星の中で最も内側を回る水星は、太陽の近くにしか見えないので普段(ふだん)は探(さが)すのが難(むずか)しいのですが、今は太陽が沈(しず)んだ後の西の空に見ることができます。しかも、すぐそばにはたいへん明るい金星も見えています。
今の山陰(さんいん)の日の入りは午後5時ごろで、西の開けたところで見ていれば、その30分後ぐらいから金星が光り出すでしょう。まだ空が明るいので、金星に寄(よ)り添(そ)う水星は、双眼鏡(そうがんきょう)があれば見つけられます。その後、空が暗くなるにつれ水星も明るく見えてきますが、同時にどんどん地平線に近づきますから、6時ごろまでに見るのがよいでしょう。
なお、水星は、今日28日なら金星のすぐ上にあり、一日経(た)つごとに、右上、右、右下と位置を変えていきます。
次にほかの惑星も探しましょう。木星は南の空の高いところで目立っていて、その右下、南西には土星が見えています。一方、東の高いところには赤い火星が光っています。
年内が5惑星を一度に見るチャンスです。月も日ごとに位置が変わるものの空に出ていますので、日の入り前から見始めれば、日・月・火・水・木・金・土のすべてに会えます。
◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)