多くの星が不規則に集まる
夜空には星々が群(む)れになった星団(せいだん)が見られます。数十から数百個(こ)の星が不(ふ)規則(きそく)に集まった星団は散開(さんかい)星団と呼(よ)ばれます。これは、もっと大(だい)規模(きぼ)な星団で、数万から数十万個の星が丸く集まった球状(きゅうじょう)星団と区別するための呼び方です。
散開星団は若(わか)い星の集まりです。宇宙(うちゅう)をただようガスのかたまりからいくつもの星が生まれた後、ガスが晴れ、まだそれぞれの星が離(はな)れずにいる状態(じょうたい)が散開星団なのです。散開星団には、小さな双眼鏡(そうがんきょう)でよく見えるものもありますので、今ごろの空からいくつか紹介(しょうかい)しましょう。
まず、散開星団の代表といえば、暗くなったころに東に見えている、おうし座(ざ)のプレアデス星団です。日本では「すばる」という名前で昔から知られています。肉眼(にくがん)でも6個ほどの星が集まっているのが分かりますが、双眼鏡を向ければもっと多くの星が見られます。
プレアデス星団から北に目を移(うつ)すと、ペルセウス座のミルファクという少し明るい星があります。そのミルファクを含(ふく)んだ星団がメロッテ20です。大きく広がっているため望遠鏡(ぼうえんきょう)では全体を見ることが難(むずか)しくまさに双眼鏡向けの天体です。
同じペルセウス座のカシオペヤ座寄(よ)りのところには、二重星団があります。これは二つの散開星団が寄り添(そ)っていて大変、見ごたえがあります。
双眼鏡でおすすめの散開星団はまだまだほかにもありますので、今後も折を見て紹介しようと思います。
◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)