12月1日から来年7月1日までの火星の動き=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成
12月1日から来年7月1日までの火星の動き=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成

来春まではおうし座の中

 星座(せいざ)はそれぞれ見やすい季節が決まっていますが、木星(もくせい)や土星(どせい)といった惑星(わくせい)は、ある星座からとなりの星座へと移(うつ)り渡(わた)っていくため、毎年同じ季節に見えるとは限(かぎ)りません。

 そんな惑星の一つ、火星(かせい)が見ごろを迎(むか)えています。夜のはじめごろ、東の空でひときわ明るく、そして赤く輝(かがや)いていますので、すぐに探(さが)せることでしょう。

 惑星たちは、星占(うらな)いなどで使う12星座を進みます。火星には、木星や土星が1年か、それ以上かけて星座を一つ移動(いどう)するのに対し、短い期間で星座から星座へと動く特徴(とくちょう)があります。

 惑星は太陽の周りを回っています。そして、太陽から遠い惑星ほどゆっくり回るという法則(ほうそく)があります。そのため、木星や土星よりもずっと太陽に近い火星は、それらに比(くら)べ動きが速く、2カ月ほどで一つの星座を通り抜(ぬ)けるように見えるのです。

 ただし、私(わたし)たちのいる地球も太陽の周りを回っていますので、実際(じっさい)の火星の見え方は多少複雑(ふくざつ)になり、来年3月下旬(げじゅん)までは、おうし座の中を行き来します。その後は、ふたご座に移り、5月半ばにはかに座へ、6月下旬にはしし座へとどんどん動きます。

 大きな動きのために、この冬だけでなく、春から夏のはじめまで見える火星。夜空を見上げるたびに、どの星座のあたりにあるのか、位置を追ってみてください。

 ◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)