大社高校の甲子園ベスト8入り(8月17日)から約2週間。出雲市大社町では「大社」と名が付く商品の売れ行きが伸びるなど、聖地でのナインの活躍を追い風にした「大社効果」が生まれている。同校には全国から支援が集まっており、学校関係者は喜びの声を上げる。
神門通り沿いに店を構える古民家カフェ「大社珈琲」では、店内に販売している持ち帰り用のコーヒー豆やドリップコーヒーの売れ行きが好調だ。通常1日当たり計30個ほどの売れ行きが、ベスト8入りした17日以降、2倍に伸びる日もあったという。
自身も大社高校出身というオーナーの坂根めぐみさん(46)は、出雲大社周辺で「出雲」や「ご縁」の名が付く商品は多いが、「大社」の名を冠した商品はあまり見かけないといい、「パッケージに『大社』が入っているから、お土産で買って帰るのでは。思わぬ追い風だ」と喜んだ。
近隣の店舗でも「ベスト8おめでとうございます」「よかったですね」といった声をかけられることが多い。神門通り観光案内所では「大社高校は近いのですか」と尋ねられるようになったといい、スタッフの原久美子さん(44)は「これまで聞かれたことはなかった。甲子園で頑張られた姿を見て、関心を持ったのだろう」と話す。
大社高校にも支援が集まっている。「甲子園応援プロジェクト」と題して、同校では勝ち進むにつれ多額になった選手の遠征費などの費用を募るクラウドファンディングを、準々決勝(対神村学園戦)のあった19日に募集開始した。
黒崎孝治教頭は「経験もなく、最初は未知数だった」というが、約1週間後の26日には目標額の1千万円を達成し、31日午後5時現在、2348人から約1201万円が寄せられた。黒崎教頭は「反響の大きさに驚いている。たくさんの支援に感謝したい」と話した。
クラウドファンディングは9月30日まで募集する。
(黒沢悠太)













