出雲市斐川町直江、斐川西中学校の1年生16人が11日、近くの直江一式飾り館で市指定無形民俗文化財「直江一式飾り」の制作体験を始めた。ネコのキャラクターをテーマに12日に作品を仕上げ、1年間、地区内で展示する。
直江一式飾りは陶器を組み合わせて物語の場面や人物を表現する。約300年前、直江地区の豪商が出火のおわびに店の道具で人形を作って近くの秋葉大権現に奉納したのが始まりとされる。
斐川西中は郷土の伝統芸術の魅力に触れてもらうため毎年、希望する1年生を募って制作体験をしている。生徒たちは直江一式飾り保存会(上野達雄会長)の会員9人の指導を受け、ペンチやニッパーを手に皿やコーヒーカップ、ちょこなどを針金でつなぎ合わせた。
ネコがモチーフになったキャラクターは高さ約1・3メートルあり、赤いギターを手にした愛くるしい姿が特徴。地区の文化祭や学校などで展示する。
体験した高橋清作さん(13)は「貝の皿に針金を結び付けるのが大変だった。みんなで協力して作った作品を見てほしい」と話した。(佐藤一司)