白鵬(右)と激しく攻め合う照ノ富士。3場所連続優勝を逃したものの、横綱昇進を確実にした=18日、名古屋市のドルフィンズアリーナ
白鵬(右)と激しく攻め合う照ノ富士。3場所連続優勝を逃したものの、横綱昇進を確実にした=18日、名古屋市のドルフィンズアリーナ

 大相撲の大関照ノ富士(29)=伊勢ケ浜部屋、鳥取城北高校出身=が名古屋場所で惜しくも優勝を逃したものの14勝1敗の成績を残し、横綱昇進を確実にした。高校時代を過ごした鳥取県内の関係者は持ち味の気迫あふれる取組をたたえ、さらなる活躍を期待した。 (福間崇広)

 「激しい相撲でまさに真剣勝負。結果はどうあれ、たいしたものだ」。鳥取城北高校の校長で相撲部総監督の石浦外喜義さん(60)は、千秋楽での白鵬との全勝対決を振り返った。

 けがと病気に苦しみ、一時は序二段に転落した照ノ富士。白鵬戦では両膝に分厚いテーピングを巻いて土俵に上がった。小手投げで敗れたものの、石浦さんは「苦労をはね返し、ここまで上がってきた。歴史に残るような勝負だった」と、かつての教え子をねぎらった。

 後輩に当たる相撲部員17人は大型モニターで取組を見守った。落合哲也主将(17)は「すごくかっこ良かった」と刺激を受けた様子。照ノ富士と同じモンゴル出身のアルタンゲレル・ソソルフーさん(17)は「自分も強い気持ちを持って戦いたい」と力を込めた。

 21日に「横綱・照ノ富士」が正式に誕生する見通しとなり、石浦さんは「電話がかかってきたら『お疲れさん、横綱』と言ってあげたい。けがと付き合いながら、頑張ってほしい」と期待した。

 鳥取県の平井伸治知事は「序二段陥落から角界最高位へ上り詰めた奇跡は、コロナ禍で苦しむ県民に大きな希望をもたらした。第二のふるさと鳥取から、県民みんなで応援する」とのコメントを出した。