今夏の甲子園で大社が93年ぶりにベスト8に進む快進撃を見せ、島根の野球が注目を集めた。実は、島根は全国屈指の「野球王国」であることがデータで明らかになった。少子化が全国に先駆けて進み、各競技とも軒並み部員数を減らす中で、野球だけが部員数を保ち続けている理由とは…

 日本高校野球連盟は都道府県別の硬式部員数の統計を公開しており、今回は2003~24年度のデータを集めた。文部科学省が毎年度取りまとめる学校基本調査を基に生徒数(全日制・定時制合計)も比較し、全国の傾向を割り出した。

 島根の野球部員数は24年度1412人で、03年度に比べて11人増えている。この間、部員数は1400~1600人台で推移。人口減に伴い、バスケットボールやバレーボールをはじめとした人気競技の部員数が減る中で、一定の水準を保っている。鳥取の24年度の部員数は736人で全国一少なかった。

 島根が「野球王国」たる理由は、全生徒(1万6668人)に占める硬式野球部員の割合だ。24年度は全国で最も高い8・47%で、15年連続トップだ。

 18年夏の甲子園で準優勝した金足農に代表されるように野球が盛んな秋田が7・10%で2位、大谷翔平選手を輩出した岩手が6・74%で3位だった。鳥取は5・43%で16位だった。

 公開中の山陰中央新報デジタル(Sデジ)オリジナル企画「データism」では、さらに数字を詳しく分析しているほか、関係者への取材を重ね、少子化の中で部員数を保っている理由に迫っている。

(白築昂)

▼特設サイト

山陰中央新報デジタル「データism」 運動部活動編を読む