島根スサノオマジックのホーム戦開催時に満車になった松江市総合体育館前の駐車場=同市学園南1丁目
島根スサノオマジックのホーム戦開催時に満車になった松江市総合体育館前の駐車場=同市学園南1丁目

 バスケットボールBリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックがホームアリーナとして使う松江市総合体育館(松江市学園南1丁目)の周辺で、ホーム戦開催時の駐車場が不足している。新たなトップカテゴリー「Bプレミア」参入に向け、同体育館の収容人数増を含めた大規模改修が予定される中、駐車環境の整備は喫緊の課題。迷惑駐車も発生しており、クラブは改善策に力を入れる。 (清山遼太)

 島根の昨季(2023~24年シーズン)のホーム戦平均入場者数は、クラブ史上最多の4230人。人気の高まりで観客の増加傾向が続く中、駐車場は十分とは言えない。

 クラブが市総合体育館周辺で駐車場として推奨するのは、体育館がある北公園内(約370台)、西側の県立プール跡地(約600台)などを合わせた約千台分。このほか、近くには複数の有料駐車場があるものの少しでも会場の近くに停車しようと、観客が周辺の商業施設などに無断駐車するケースもある。

 体育館近くにある家電量販店の担当者は「無断駐車はしょっちゅう起きているが、買い物をする可能性もあるので注意しにくいのが実情」と説明。試合前後には駐車場入口が混雑するため、買い物客の出入りがスムーズにいかないケースもあるという。

 車社会の地方を拠点にするチームにとって駐車場不足は共通する悩み。佐賀市では、佐賀バルーナーズ(西地区)の試合開催時に市交通局がバスを増便して混雑緩和に努める。

 駐車場不足はクラブも認識。9日の滋賀レイクス(西地区)戦からはJR西日本などと連携し、同社が手がけるアプリ「WESTER(ウェスター)」を利用して、鉄道や路線バスでホーム戦来場を重ねると限定商品が当たる応援スタンプラリーを始める。公共交通機関を使った来場を促すのが狙いだ。

 駐車場予約サービスを手掛ける「akippa(アキッパ)」と提携して昨季から始めた、試合開催時に限り事前予約制で周辺事業所の駐車場を利用可能とする取り組みでは、体育館近くに本社を置く松江土建(松江市学園南2丁目)などが駐車場を有料で貸し出している。

 地域経済に詳しい島根大法文学部の飯野公央教授は、プロスポーツチームが健全な運営を続けるには地元の理解が欠かせないとした上で「試合があることによって、地元が迷惑を被るのではなく恩恵を受けられるような仕組みの構築が重要」と指摘する。