中国電力が11日、島根原発2号機(出力82万キロワット、松江市鹿島町片句)の原子炉を12月7日に起動し、再稼働すると発表した。島根原発の再稼働は12年11カ月ぶり。12月下旬に発送電を始め、来年1月上旬の営業運転再開を目指す。

 2号機の安全対策工事は10月28日に完了。同日に始めた新燃料148体と継続して使用する燃料412体の計560体を燃料プールから原子炉に入れる「燃料装荷」は11月3日に作業を終えた。

 現在、水と蒸気を分離する炉内構造物の取り付けや原子炉を緊急停止させる制御棒の挿入試験など起動前準備を進めている。再稼働後は一度停止して機器の状態を確かめる。運転状態に戻した後、中電と原子力規制委員会による検査、確認を経て、営業運転に移る。

 中電は11日、工程を反映した使用前確認申請書を規制委に提出した。中電島根原子力本部の吉川正克広報部長は「原子炉起動にかかる設備の点検、試験など再稼働に向けた一つ一つの準備を着実に進める」と話した。

 立地自治体の島根県の丸山達也知事は「問題がある場合は立ち止まって改善するなど安全を最優先に厳正に進めてもらう必要がある」、周辺自治体の鳥取県の平井伸治知事は「問題発生時にはちゅうちょなく運転停止する慎重な対応を願う」とのコメントを出した。立地自治体の松江市の上定昭仁市長は「市民の安心・安全を最優先に、安全対策に万全を期してもらいたい」と求めた。

 事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型の再稼働は、東北電力女川原発2号機(宮城県)に続いて2例目となる見込み。女川2号機は10月29日の再稼働後、中性子検出器の数値を調整する機器が作業中に格納容器内で動かなくなるトラブルが11月3日に発生。東北電が原因を調べるため原子炉を計画外に止めており、以後の予定は延期となった。

(高見維吹)...