総合病院に勤務していた外科医の小山大河さん(仮名)は、限界を感じていた。研修医時代から長時間労働が続き、疲弊しきっている。残業が少ない病院に移ったものの、医師が少ないため常に呼び出される恐れがあり、気が休まることがない。
それでも、簡単には辞められない。学部時代に奨学金を借りたためだ。医師として県内で一定年数働かなければ、高金利で返済を求められる。
「でも、このままではもたない」
悩んだ挙げ句、美容整形外科への転身を選んだ…。
若手医師が“ブラック”な医療現場を避け、美容整形など「自由診療」で働くケースが増えている。保険診療の現場では医師不足や偏在が改善されず、残された医師がさらに長時間労働を強いられるという悪循環に陥っている。「世界有数の長寿」を誇る日本の医療現場で、何が起きている...