高橋宗生総領事(前列左から5人目)を訪問したインド経済視察団=17日夜、チェンナイの日本総領事館
高橋宗生総領事(前列左から5人目)を訪問したインド経済視察団=17日夜、チェンナイの日本総領事館

 【チェンナイ=編集局・杉谷健司】山陰インド協会(会長・松尾倫男山陰中央新報社社長)が派遣したインド経済視察団の15人が17日、南部タミル・ナドゥ州の州都チェンナイで日本総領事館や日本貿易振興機構(ジェトロ)などを訪ね、最新の現地情報を得て経済交流の拡大策を探った。

 在チェンナイ総領事館の高橋宗生総領事は同州の特徴を「自動車や電子機器など製造業の一大拠点。インドのデトロイトと呼ばれる」と紹介。日系企業は185社を数え「土地代の安さや電力供給の安定性などを背景に、北部デリーに続く第2、第3の生産拠点を設ける動きがある」と述べた。

 同じく南部にあるケララ州は、州政府がIT産業の集積化を進め、2023年度の経済成長率が12%に達したとし、一層の経済発展に期待を寄せた。

 中海・宍道湖・大山圏域市長会の水研二事務局長は、経済交流拡大を目指しケララ州政府と15年に交わした覚書を25年秋に再締結するとし、協力を要請。高橋総領事は「できる限り支援する」と応じた。

 松尾会長は「山陰インド協会が架け橋となり、インドとの経済交流をもっと活発にしたい」と強調した。

 ジェトロチェンナイ事務所では白石薫所長が、24年に営業利益を確保する在インド日系企業の割合は約8割と、09年の2倍近くになると解説。生産年齢人口の増加が続き経済成長が加速すると分析する一方、人件費高騰や従業員の離職率の高さを懸念材料に挙げた。

 一行は、ヤマハミュージック・インディアが19年に新設したチェンナイ工場も訪れ、携帯型キーボードなどの生産現場を見た。