プロ野球のレジェンドに現役時代や、その後の活動を語ってもらう連続インタビュー「名球会よもやま話」。第45回は中村紀洋さん。豪快なスイングで通算404本塁打を放ったスラッガーです。大きな放物線を描く打球に興味を抱き続けていましたが、一つの移籍をきっかけに「ホームランは要らない」との心境に至ったそうです。(共同通信=栗林英一郎)

 ▽キャンプのメニューは打、打、打

 甲子園は小学生の時に、よく観戦した球場。阪神のバックスクリーン3連発(1985年)ですか?バックネット裏で見てました。ものの見事でしたね。バース、掛布雅之さん、岡田彰布さん。やっぱりホームランは雰囲気を変える。ヒットじゃ変えられないです。そういう選手になりたいと思って、ずっとホームランに憧れました。

 現実になったのは、大阪・渋谷高で甲子園行きを決めた決勝戦(90年夏)での2本。あ...