今年も残すところあと3日。どんな一年だったろう。「ほぼ満点に近い」と自己採点したのは、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手。
移籍1年目にして、史上初となる本塁打と盗塁の「50-50」達成、ワールドシリーズ制覇、リーグMVP受賞と文句のつけようがない。思えば今年もスポーツの世界に熱狂し、力をもらった一年だった。
ボクシング界のモンスターこと、4団体統一王者の井上尚弥選手は5月に東京ドームであったタイトル戦で、1回にいきなりプロ初のダウンを喫した。リングに膝をついたまま立ち上がれない…。と思いきや「脚のふらつきが残らないよう8カウントまで休んだ。そういうシーンが訪れることを日ごろから考えるようにしている」。驕(おご)りなき本物の強さに身震いがした。
印象深い涙もあった。パリ五輪で2連覇を狙った柔道女子の阿部詩選手は2回戦でまさかの一本負け。畳を下り大声で泣き崩れた。「きょうの負けを忘れずにいつか自分自身や皆さんが笑えるような日にできればいい」。勝負の世界は残酷で、それでもまた立ち上がろうとする姿にどれだけ励まされたことか。
「今年はまだ終わってない!」。そんな声が聞こえてきた。きょう全国高校サッカー選手権の初戦に山陰両県勢が登場する。益田対決を制した明誠は初出場で勝利を目指す。練習を信じ仲間を信じて最後まで走り抜く、熱い戦いを見せてくれ。(史)