年越しそばを作る職人=松江市奥谷町、神代そば
年越しそばを作る職人=松江市奥谷町、神代そば

 大みそかを前にした30日、そば店は年越しそばの準備に追われている。松江市奥谷町の老舗「神代そば」では、1年の締めくくりに食べる人たちが来年も良い年を迎えられるよう願いながら、絶えず手を動かした。

 1952年創業の同店はソバの実を石臼で殻ごとひいたそば粉を使い、つなぎを使わない十割そばを提供する。

 この日は朝7時半から、島根県美郷町産のそば粉をこね、麺棒でのばして折り畳み、包丁を使って丁寧に仕上げた。

 開店の午前11時前には、香り高い伝統の味を求める家族連れなどで行列ができ、開店と同時に満席となった。割子や釜揚げなど約100食を提供した店主の佐藤博志さん(65)は「今年もいいそばができた。味わってもらい、良い年を迎えてもらいたい」と願った。

 31日は職人3人で手分けして、来店客用と予約済みの持ち帰り用の計約200食分作るという。

(高見維吹)