「曠野(こうや)から」(1973年)のみずみずしい文体にまず魅了された。高校生の私が「文化人類学」という野外の「知」に触れた最初の出会いの一つである。

 アフリカのサバンナに腰を据え、モシ族の社会に深く入り込んで数年間の参与観察の日々...