展示された堀家文書を紹介する小杉紗友美文化財係長=島根県津和野町森村、町郷土館
展示された堀家文書を紹介する小杉紗友美文化財係長=島根県津和野町森村、町郷土館

 島根県津和野町森村、町郷土館で明治~大正期に同町の笹ケ谷鉱山をはじめ多くの鉱山を経営した堀家15代当主・堀礼造(1853~1924年)の業績を紹介する企画展「中国の銅山王 堀礼造と堀家文書」が開かれている。堀家伝来の古文書など約40点を展示し、来館者が興味深く見学している。2月17日まで。

 礼造は中国地方の鉱山王として名をはせ、1892年には畑迫病院(津和野町邑輝)を私財を投じて建設した。地元で水力発電や製紙業も手がけた。

 企画展では礼造の写真や古文書のほか、県内の小学校、警察署建設への寄付例の一部を地図に落とし込んだパネルなどを展示した。

 町が文化庁の補助を得て2020~23年度に取り組んだ堀家文書近現代史料(約5万2千点)の調査に基づく企画展。町教育委員会の小杉紗友美(さゆみ)文化財係長は「事業の多角化を進め、社会基盤整備に尽力した堀礼造の業績を多くの人に知ってほしい」と話した。

 午前8時半~午後5時。毎週火曜休館。入館料は一般400円、中学・高校生300円、小学生150円(未就学児と津和野町民無料)。(中山竜一)