明治期からクロム鉱石を多く産出した若松鉱山跡(鳥取県日南町)が、廃虚愛好家から注目を集めている。標高約770メートルの山中にたたずむ関連施設の姿は「天空の要塞(ようさい)」とも呼ばれる。全国的にも貴重な鉱山跡の様子を2回に分けて紹介する。
(米子総局報道部・佐貫公哉)

山中に施設がそびえる姿から「天空の要塞」とも形容される若松鉱山跡=鳥取県日南町(前畑温子氏撮影)


[関連記事]
日南に「天空の要塞」 廃虚愛好家注目の若松鉱山跡 貴重さ、楽しみ方語り合う

 若松鉱山では1900年ごろから95年まで採掘が行われた。製鉄炉の壁に使う耐火れんがの原料となり、官営製鉄所の八幡製鉄所(北九州市)などに供給した。

 全国のほかの多くの鉱山が昭和期後半から閉山する中、若松鉱山は...