太陽のエネルギーを最も感じる季節である。肌にじりじりと照り付ける日差しが熱い。朝、駐車場から職場へ10分ほど歩くだけで全身に汗がにじむ▼さんさんと輝く球体は地球からはるか1億5千万キロも離れた所にあるそうだ。想像し難い距離をものともせずに届くエネルギーの源は核融合反応。水素の原子核同士が融合してヘリウム原子核ができる際に大きなエネルギーが生じる▼46億年燃え続ける、われらが生命の源である太陽もいつかは最期を迎える。人類が積み重ねてきた物理学や天文学の知識によると太陽くらいの恒星は赤色巨星となって膨張した後に地球サイズの白色矮星(わいせい)になって終わる。膨張の規模はすさまじく、水星や金星をのみ込み、さらには地球にも迫るという。およそ50億年後の話▼何とも恐ろしい未来が待ち構えているわけだが、平然としていられるのは、億年という歳月が途方もなさすぎて現実味がないからだ▼では10万年はどうだろう。50億年ほどではないものの、実感の湧かない歳月である。太陽とは逆の核分裂反応によってエネルギーを生む原発から出た高レベル放射性廃棄物を、10万年の長期にわたって地中深くに隔離する動きが国内外にあるが、本当に大丈夫だろうか。人類史の中では点にすぎないような現代に生きる私たちがそんな決断をしていいものか。しかし放置できないのも現実。核分裂の遺物は厄介だ。(輔)