松江市袖師町の島根県立美術館ギャラリーで、島根大写真部の4年生による展示「拠展」が開かれ、県内の観光地や日常を撮影した60点の作品が来場者を魅了している。無料、17日まで。
撮影したのは今春に卒業する6人。全員が県外出身者で、島根が拠点だった4年間を振り返る意味を込めて「拠展」と題した。
松江水郷祭の打ち上げ花火や出雲市の日御碕灯台など、観光地や行事だけでなく、町並みや夕日など日常を切り取った写真が並ぶ。撮影者が付けた題名とコメントから、強い思いや遊び心が伝わる。
同大総合理工学部4年の中嶋竜也さん(22)の作品「導き手」は、松江市の秋の風物詩「松江祭鼕(どう)行列」を撮影した。法被を着て鼕を引く男性の背中から、鼕行列のにぎやかさとは対照的な落ち着いた頼もしさや真剣さが感じられる。
鑑賞した松江市黒田町の会社員、高橋直裕さん(42)は「知っている場所でも印象が異なり、大学生の感性を知ることができて心が躍った」と話した。(黒崎真依)