安来市ゆかりの作家の作品を紹介する千葉潮館長=安来市広瀬町布部、加納美術館
安来市ゆかりの作家の作品を紹介する千葉潮館長=安来市広瀬町布部、加納美術館

 安来市ゆかりの画家10人の作品を集めた展覧会が加納美術館(安来市広瀬町布部)で開かれ、来館者は地元出身者の日本画など27点の作品に見入っている。4月6日まで。

 展示する作品は市役所や交流センター、学校などが所蔵する。広瀬町出身の日本画家、宇山明は花を題材にした作品を多く残す。「富貴花」は真っ白な大輪のボタンが背景の淡い青色に映える。広瀬藩の御用絵師、堀江友聲(ゆうせい)の孫に師事した野々内保太郎の「中海風景」は島田交流センターの所蔵。島田地区から見た中海と雪をたたえた大山が織りなす風景を表現した。

 伯太町出身の洋画家、岩佐新は、同郷で政治家や島根新聞(現山陰中央新報)社長も務めた伊達源一郎の肖像を描いた。

 2021年に市の関連施設が所蔵する絵画などの作品を調査した千葉潮館長は「芸術に親しむ市民が多かったことが分かる」と話した。作家と交流のあった来館者からエピソードを聞くこともあり、新たな知見につながっているという。

 午前9時~午後4時半。大人1100円、高校・大学生550円、中学生以下無料。火曜日休館。(狩野樹理)