訪問看護時の暴力、ハラスメントの予防と対応について話す藤田愛所長=松江市袖師町、県看護研修センター
訪問看護時の暴力、ハラスメントの予防と対応について話す藤田愛所長=松江市袖師町、県看護研修センター

 訪問看護、介護時の暴力やハラスメント対策を考える研修会が、松江市内であり、神戸市の北須磨訪問看護・リハビリセンターの藤田愛所長(59)が、体験を交えて未然防止や発生時の対処法を説いた。

 藤田さんの部下は、訪問看護先で出されたお茶に薬物を混入され、5時間にわたって意識障害を起こしたという。事件を機に県や市へ対策を働きかけている。

 聴講した看護師に「従事者を守ることなくして、利用者や家族を支えるケアは守れない」と強調。現場では暴力やハラスメントとみられる事案が起こってきたとする一方「仕方ない、受け入れることもケアの一部という考えにとらわれてきた。そんな仕事に夢を持って人が来てくれるのか」と早急な対応を促した。

 具体策として「職場で基本方針を作り、向き合う姿勢を固めるべきだ」と説明し、二次被害を避けるためには「被害者の職員に『なぜ』と聞くと責めるような印象になる。『何が』『どのように』と問うようにしてほしい」とアドバイスした。

 研修会は島根県訪問看護支援センターが主催。県内の看護師34人が参加した。(白築昂)