島根県立美術館(松江市袖師町)で開催中の日本画家・平山郁夫さん(1930~2009年)の作品展「平山郁夫 未来へのキャラバン-シルクロードから日本、そして出雲へ-」(県立美術館、山陰中央新報社など主催)は、10日の閉幕が迫り、5日も多数の来館者がシルクロードや島根県を題材にした重厚な作品を鑑賞した。
絵画34点や、シルクロードを中心に収集した遺宝79点が並ぶ。5日も平山さんの晩年の大作で、雲南市加茂町の寺院から望む風景に着想を得た「八雲立つ 出雲路古代幻想」などが、鑑賞者の目を引いた。
ほかに松江城や出雲大社のスケッチ、シリアの遺跡を舞台にした作品が興味をかき立て、来館した鳥取県伯耆町大殿の河内忠昭さん(86)は、自身がシルクロードを旅した経験から「絵と重ねて楽しめた」と語った。
平山さんは広島県出身で15歳の時に被爆した。東京芸術大を卒業後、取材旅行で世界各地を訪ね、創作に加え文化財の保全活動に尽力した。晩年は日本各地の風景や寺社などを描き国内外で高い評価を得た。
当日券(企画展のみ)は一般1600円、大学生1360円、小中高生700円。開館時間は午前10時~日没後30分。
(林李奈)