1945年8月6日、世界で初めて原爆が落とされた都市、広島には一人の女性作家がいた。大田洋子(03~63年)、当時41歳。被爆は、彼女の運命を大きく変える。

 「死の影を負ったまま、書いておくことの責任を果してから、死にたい」との思いで45...