「何を飲まれますか」。体の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者藤田美佳子(53)がパソコンの画面に映る客に話しかけた。「深いりのコーヒーを一つお願いします」。注文を受けると画面から豆の種類を選ぶ。客の前にいるロボットが豆の粉が入った瓶をアームで持ち上げ、ケトルを電気プレートの上に置く。

 「どちらからお見えですか」。自分の思い描いているようにお湯が注がれ、完成までの約4分間、客との会話を楽しむ。

 客がいるのは東京のカフェ。約270キロ離れ...