墓石にすっぽりと収まったカエル
墓石にすっぽりと収まったカエル

 熱心な読者なら「またか」と笑われるかもしれない。先日、1カ月ぶりに墓参りに出かけると、墓石の一部が緑色になっていた。「○○家之墓」のうち、「家」の文字の「うかんむり」に続く横棒の「とめ」の部分。小さなアマガエルが身を潜めるように、すっぽり収まっていた。“墓石にカエル”である。

 実はちょうど1年前にも発見し、小欄で紹介していた。前回は「墓」の文字の「くさかんむり」の「とめ」の部分。場所は移ったものの、わが家の墓石はよほど居心地がいいとみえる。

 さて、この人の居心地はどうか。首相の椅子に座り、間もなく8カ月を迎える石破茂氏。昨年12月、鳥取県八頭町に帰省し、父・二朗氏の墓参りなどをした際、記者団に今後の政権運営について聞かれ、「人気取りの政治をすればいいと思っていない」と語っていた。

 夏の参院選が近づき、野党が相次ぎ消費税減税を打ち出している。これに対し首相は、社会保障財源に影響するとして減税論には否定的。ただ改選を控える身内の自民党議員からは「執行部は減税を求める世論を見誤っている」との批判が上がり板挟み状態だ。ここで人気取りに走って言動がぶれれば、「またか」と有権者に愛想を尽かされ、政権が“ひっくりカエル”ことにもなりかねない。

 蛇足ながら“墓石にカエル”の写真は、きょうの本紙「読者ふれあいページ」で紹介している。ぜひご覧を。(健)