第四章・公儀と大名(6)

 

 使いにやった村井長次(ながつぐ)は、夕方になってもどってきた。大久保忠隣(ただちか)は三日後の将軍宣下を前に多忙をきわめていて、取り次いでもらうにも半刻(はん...